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年金が84%増える!75歳年金繰り下げを厚労省が提案

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【最大で84%も年金が増える】
厚労省が「年金の繰り下げ支給を75歳まで拡大する見直し」の資料を公開しています。
この資料は、2019年10月18日に開催された厚労省内の審議会に提出されたものです。
見直しの内容は、「繰り下げ受給の上限年齢を、現行の70歳から75歳に引き上げる」というものです。
そして、支給開始を、本来の65歳から10年遅らせることの引き換えとして、
支給開始額が最大で84%も増えます。

 

【75歳まで支給開始を繰り下げられる】
今回の案の最大のポイントは、「繰り下げ受給の上限年齢を現行の70歳から75歳に引き上げる」事です。
これまで、年金の支給開始は、標準の「65歳」を中心にして、
繰り上げた場合の60歳から、繰り下げた場合の70歳までの10年間から選べました。
今回の案では、年金の受給開始時期は60歳から75歳の間で選択できるようになります。

 

 

 

【75歳支給なら、年金が84%増える】
年金の支給開始を繰り下げた場合、その引き換えとして年金の支給額が増えます。
年金が支給される期間が短くなる分、毎月の支給額が増えるという事です。

 

 

今回の案では、1ヶ月支給を遅らせると、支給額が0.7%増えます。
現在の制度でも、70歳に繰り下げると、支給額が42%増えます。
これが、75歳に繰り下げると、支給額は84%増えます。
これぐらい増えるのであれば、年金だけで生活できる可能性が高くなりますので、
それなりに魅力的な選択肢と言えます。

 

 

 

【65歳という年金支給開始年齢が引き上げられるわけではない】
よくある誤解ですが、今回の提案は、「年金支給開始年齢を65歳から遅らせる」というものではありません。
「75歳からの支給開始が選べる」というだけであって、すべての人に当てはまる変更ではないのです。
65歳から年金を受け取る人は、これまでと何も変わりません。
また、今回の案は、厚労省内の審議会に提案されたものであり、
法律として成立するのは、少なくとも来年以降になります。
では、今回の厚労省の案は。どのように受け止めれば良いのでしょうか。
そのヒントは、資料の中に「今後の高齢者の就業率の変化」があることです。
この資料によれば、70〜74歳男性の就業率は、
2017年の34.2%から、2040年には48.1%に増えると予想されています。

 

 

つまり、厚労省としては、国の経済成長のためにも高齢者に働いて欲しいわけです。
その環境づくりとして、
70代前半までは働いて、年金はそれ以降に受け取るというスケジュール
を提案しています。
75歳まで繰り下げると、年金が84%増えるのは確かですが、
これが得な働き方なのかどうかは、「在職老齢年金」制度が変わるかどうかにも影響されます。
「そういう選択肢ができるかもしれない」くらいに思って、来年以降の改正の方向を見守りましょう。

もっと詳しく読みたい方は下記より、ご覧ください。
厚生労働省資料「繰下げ制度の柔軟化」

記事の引用元:シニアガイド
出典:厚生労働省