日本での樹脂サッシ普及率、未だ20%。(YKK AP調べ)
日本での樹脂サッシ普及率、未だ20%。(YKK AP調べ)2019.09.27

樹脂窓の普及率は、
アメリカで65%、ドイツで64%であるのに対し、日本ではわずか20%です。
なぜ、世界各国がこのように樹脂窓の設置を進めているのか。

 


出典:[日本]平成31年住宅建材使用状況調査、日本サッシ協会(2018)、[イギリス、フランス、ドイツ]Interconnection Consulting(2016)、[アメリカ]Home Innovation Research Labs(2013)、[中国]樹脂サッシ普及促進委員会(2000)、YKK AP調べ、[韓国]日本板硝子(株)調査データ(2011)

画像出典元:YKK AP

 

■ 暑さの原因7割、寒さの原因6割は窓にある。

下記は住宅で熱損失を部位ごとに相対化した図です。

窓などの開口部を通して、冬に暖房の熱が逃げる割合は58%、
夏の冷房中に入ってくる割合は73%にも及びます。
暑さの原因の7割、寒さの原因の6割が窓とみなせます。
窓は、ガラスと枠で構成されており、
昨今では、ペアガラス(複層=二重)やLow-Eペアガラス(低放射)といったガラスは、
かなり一般化してきましたが、問題はアルミ枠です。

 

■ アルミ枠は、断熱の元凶。

問題はアルミ枠にあります。
断熱性能の目安となる熱伝導率で各材料を比較してみれば明らかです(図参照)。

熱伝導率は、アルミかそうでないかで約1000倍も異なりますので、
世界的にはサッシの樹脂化は当たり前です。
ですが日本の住宅の大半は、サッシ枠がアルミでできています。
理由はアルミが加工しやすい、工場のラインがアルミ向けであるといったことにありました。
しかし現在では、サッシメーカーは樹脂窓を製品化しています。

 

■ 欧米では「結露は瑕疵」。

欧米では窓の結露はもちろんのこと、壁体内の結露においても徹底的に抑制が図られます。
建築の環境工学上、結露を引き起こすのは誤った設計であり、人の健康を害するから瑕疵である

という考え方が根底にあります。
日本でもこの価値観が一般化すると良いのですが・・・。

 

■ 省エネも重視。

下記は「アルミ複合サッシ」「アルミ樹脂複合サッシ」「樹脂サッシ」年間の冷暖房費の比較です。
冷暖房費は、家の断熱性能や形状、そして地域によっても異なりますが、
暖房にかかるエネルギーはかなり大きな比率を占めています。

 

画像出典元:YKK AP

そして、設置する地域、気候によって冷暖房費がダウンしているのがわかります。
光熱費の節約だけでなく、室内外の温度差も少なくなるので、快適性が上がります。
樹脂サッシは、健康で快適でありながらも、トータルコストを安く抑える事のできるアイテムです。

家の断熱性能は窓の性能によって大きく変わります。
その原因の半分以上を占める部位なのですから、省エネの面でも極めて合理的なわけです。

記事の引用元:日本経済新聞