「Googleのスマートシティ計画断念」と<br>「トヨタが作る未来都市ウーブン・シティ」
「Googleのスマートシティ計画断念」と
「トヨタが作る未来都市ウーブン・シティ」2020.07.01

Googleは約3年前からカナダのトロントで、
未来都市“スマートシティ”の実現を計画していました。

しかし、先月Googleの持株会社Alphabetが所有し、
革新的な都市計画を行なうSidewalk Labsは、
カナダのオンタリオ州トロントにあるウォーターフロント地区キーサイドで進行中の
再開発プロジェクトから撤退することを発表しました。

Sidewalk LabsのCEOであるDan Doctoroff氏はブログで、
今回の決断に至った経緯を綴っており、主に以下の2つと言われています。

①パンデミックで経済的に実行困難
②都市の監視と収益化に市民活動家や政治家が猛反発

 

①パンデミックで経済的に実行困難

Dan氏によると、Sidewalk Labsはウォーターフロント地区に30人規模のオフィスを開設し、
2年半にわたり時間、人、リソースを投資してきた。
しかし、世界とトロントの不動産市場で未曾有の経済的不確実性が生じており、
現地の開発機構Waterfront Torontoと共同で
練り上げた計画の中核部分を犠牲にすることなく、
面積12エーカーに及ぶこのプロジェクトを実行することが財政的に困難になったという。

 

②都市の監視と収益化に市民活動家や政治家が猛反発

もともとのプロジェクトでは、13億ドル(約1300億円)の費用をかけて、
木造住宅、暖房・照明付き歩道、公共Wi-Fi、
交通と街路の生活をモニターする多数のカメラやセンサーを12エーカー、
そしてその周辺350エーカーに設置する計画だったが、
プライバシー侵害や大手テクノロジー企業による都市収益化に対して、
地元住民から根強い反対があったと『The Verge』は伝えている。
5月20日には、プロジェクトが継続できるかを決定する
Waterfront Torontoの理事会が予定されていたが、
その前にSidewalk Labsが身を引いた形だ。

 

一方、日本では、トヨタグループの豊田社長はスマートシティの実現について述べています。
2分12秒〜視聴をオススメします。

 

トヨタのスマートシティイメージはこちらをご視聴ください。

スマートシティ「WovenCity(ウーブン・シティ)」の実証実験地区として、
トヨタの東富士工場の跡地を利用して、2021年着工と発表しています。

トヨタの「WovenCity」では、
人とクルマ、そして人と社会(コミュニティ)が通信でつながります。


出典:AUTOCAR JAPAN

街は環境にも配慮した仕様となっており、
建物は主にカーボンニュートラルな木材で作られます。
豊田社長は、「WovenCityによってコネクテッド、自動運転、
シェアリングなどの新サービス、そして電動化を見える化する」と説明しています。

トヨタでは、アイディアや技術をプロトタイプなどによって
具体的に表現することを「見える化」と呼びますが、
「WovenCity」はまさに、トヨタが目指す
「すべての人にモビリティを」という理想像の見える化です。

今後の「WovenCity」とトヨタに注目です。

出典:リアルサウンド テック